A feeling of a partner








「猿野、今日は沢松と一緒じゃねえの?」



同じ昼休み。
天国は教室でチームメイトの片貝に声をかけられた。

片貝は隣のクラスの天国に教科書を借りるためにこのクラスを訪れていたのだ。


そしていつも天国の隣にいるる沢松がいないことに気づき、なんとなく質問した。

天国はなんということもなく、答えた。

「ああ、あいつならどっかで勉強中だろ?」
「へ?あいつが?」

片貝は意外な答えに驚いた。
天国と同じく沢松も勉強をマジメにするタイプとは思っていなかったからだ。
いつも天国に付き合って非常識なフザケをする、そういう沢松しか知らないから。

その顔に天国は面白そうに笑う。

「意外そうなツラすんなよ。
 あいつああ見えて勉強家だぜ?ちゃんと毎日予習復習やってるしな。」

天国が笑って言う言葉は、更に意外だった。

「予習復習…?すっげー意外…。」
片貝は驚きながら、手元の天国の教科書を見た。

その綺麗さに片貝は苦笑する。
こいつはきっと予想通りなんだろうなと思い。

「お前沢松を見習った方がいいんじゃねえの?ダチなんだしさ。」
何の気なしに言葉にした。


すると。



「?なんで?」


思ってもいなかったことを言われたような顔をする。



「え…なんでって…。」
聞き返され、つい口ごもる。


それを見て、天国はふと真剣な眼差しをした。

「なー片貝。」
「?何だよ。」



「ダチってさ、どーゆーモンだと思ってる?」



真剣な眼差しで問われたことに片貝は驚く。
なんでそんなことを?と聞きたくて口を開きそうになった。


だが、今の天国は答えのみを求めていた。
それが分かった片貝は答えるために口を開きなおした。


「…どーゆーって…具体的には言いづらいよな…。
 いつも一緒にいる、とかもだけど…離れててもダチはダチだし…。」
考え考え答える。
でも…意外と結論はない。

そんな片貝に天国は苦笑する。


「お前はダチ多いのな。」

羨ましそうに呟いた。

その表情を見て片貝は天国への違和感がどんどん強くなっていくのを感じていた。
不安も感じていた。

目の前にいるのは、猿野か?と。
彼の周りの空気が別の世界に変わっていくような不安を。


片貝は聞き返した。


「…お前も沢松がいるじゃねーの?」


真っ先に思いつく「猿野のトモダチ」の名を口に出した。



「あいつは、そーゆーんじゃねーの。」



返ってきた言葉は否定。


違和感と不安は確信へと近付いていた。



「なんかさ、いるんだ。いつのまにか、いつも。」



それってダチじゃねーのか?


最後の質問は言葉にはならなかった。


「なんでいんのかな、あいつ。」




答えは、出なかった。


                        To be Continued…



はい、短い3話目です。
なぜか天国へのコンタクトは片貝くん。彼結構好きなんですよね。

3年になる頃には彼も準レギュラーくらいにはなってるといいなv

…話の内容はすすんでませんが。申し訳ありません…!!
次からちゃんと動かします!!


河豚様、お待ちいただき本当にすみません!


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